なりっしーの「それ行け!中高年!」

アクティブな中高年を目指して

なりっしーの遭難記録(救助要請なし) 全3話 その2

こんにちはー 中高年のなりっしーです。

遭難記録その1では、無計画で道に迷い長い距離を歩きました。林道だったのが幸いで、これが山深い大自然の中だったらと思うと、今更ながら怖いですね。

narisshiblog.hatenablog.com

今回紹介する『その2』では田中陽希さんばりのロードを体験します。

登りの道は険しかった、周回で下山のはずが超、超、超ロング周回に!

遭難した場所は?

 

岐阜県郡上市と関市にまたがる高賀山(1,224m)にお邪魔しました。

遭難の概要

前回の金勝山で、無計画の恐ろしさを勉強したなりっしーたち。

『さるとらへび』の伝説を見つけ、高賀山へ行ってみようとなった。もちろんリサーチします。駐車場OK、登山口OK、コースタイムOK。さー出発。

現地に着くと高賀神社の大きな鳥居がお出迎え。そこへ駐車させて頂いて登山開始します。高賀神社、円空記念館を後にし、自然公園を進んでいきます。

ほどなく本格的な登山道に入ります。道中、滝や岩屋など見どころがありますが、登山道にあまり慣れてなく非常に歩きにくい。特に中くらいの浮石がゴロゴロしており、少しでも気を抜くとズルッとしてしまう。大きな倒木をくぐったりで大苦戦。

ようやく山頂に到着。山頂はあまり広くなく、先行者が数名で昼食タイム。長居することもなく下りようとした時に、ふいに今までの登りの苦労がフラッシュバック。

ピストン以外にもルートがあり、すぐ近くに林道があることは事前調査済み。嫁さんに聞いてみるとやはり歩きやすい林道経由がいいとのこと。

結局、苦労して登ってきた道をピストンせず、林道経由の別ルートで下りることにする。この選択がとんでもないことになるとは全く知らずに・・・

長い長いロードの始まり

山頂から御坂峠へと下り、分岐地点から林道に入る。やっぱり林道は歩きやすいねと呑気にしゃべりながら進む。そろそろ右側に下りる分岐が出てくるはず・・・。ん?ないな。もうちょっとかな。とズンズン進む

もうそろそろ分岐があるはず。あれ?まだかな?とまたズンズン進む

もうそろそろ、分岐が・・・ あっ あった。しかし、通行禁止の立て看板が・・・。

どうやら数週間前の台風の影響で登山道が崩落したらしい。

えーー!せっかくここまで来たのにーー!何だかんだで結構林道を下ってきたなりっしーたち。

どうする?

戻る? どうする?

戻ってまたあのきつかった登山道を下りる?

出した結論は『このまま林道を行く』です。地形的に考えて、林道を下りていけば朝車で通った道には出れると判断したから。それが何km歩くことになるか考えもせずに・・・

そうと決まったら歩くのみ。地図は高賀山近辺の拡大地図しか持ってません。当時はガラケーで現在の居場所もわかりません。それでも右に左に折れ曲がる林道を一生懸命に下っていきます。

すると、中美濃登山口という分岐があり、瓢ヶ岳こちらの矢印が。どうやら違う山域まで来たみたいです。それでも今更戻れません。どんどん下ります。

途中の景色は岩肌がゴツゴツしてきて、川を流れる水の音も聞こえてきます。そして『ふくべの森』を通過時、ボルダリングの文字が見える。

この時は下りだったこともあり、まだ余裕があります。ボルダリングかー。落ちたら痛いどころじゃすまないだろうな。ボルダリングはやめとこうね。と嫁さんとしゃべりながらどんどん進みます。

美濃フィッシングエリアを過ぎるとちょっとした集落が出てきます。少し安心するも人の気配ゼロで逆に心細くなってきました。ここへきてようやく『私たち大丈夫?』と心配になってきました。それでも進むしかありません

次の集落に入った時にはさすがにまずいと思い、タクシー呼ぼうか?現金は少ししかない。呼ぼうにも電話番号がわからない。何しろここどこ?という状態。状況は変わらないまま進んでいくと・・・ 

ようやく、あれ?ココ見たことあるぞという景色が出てきた。朝車で通過した『和紙の里街道』横の自由の女神を発見!

道端に佇む自由の女神

Googleストリートビューの画像】

ここで一気に力が抜け、どっと疲れが押し寄せてくる。これからが地獄だとは知らずに・・・

ようやくここまで歩いてきた。自由の女神から駐車場まではそんなに時間はかからなかった。車でだが・・・。自販機で飲み物を購入し水分補給。腹が減ったら何かお店はあるだろうとまた歩き出す。

美濃和紙の里会館まで歩いてきた。駐車場で休憩させて頂く。ぐったり疲れてうなだれてしまう。あとどれだけ?と顔を上げた瞬間、バス停が目に留まる。

おーーーー!この手があった!バスに乗ろう。ほどなく進行方向へバスがやってきた。道はある程度覚えているので、違う方向へ曲がったら次で降りればいいと思い、早速乗り込み着座する。と同時に疲れからくる強烈な睡魔に襲われる。

いかん!ここで寝てしまったらどこまで行ってしまうことか。睡魔と戦っていると、有難いことに嫁さんから寝てていいよと許可が下りる。

うつらうつらしているとバスが止まる。どうやらバスターミナルっぽく、この先には行かないらしいのでここで下車する。

季節は秋で日没が早い。バスから降りる頃にはもう真っ暗だった。何とか道は覚えてる。もう少し進むと、モネの池に通じてる国道256号にあたるはず。

棒のような足を引きずって歩き出し、ようやく256号線にたどり着く。交差点を右折した途端寂しい山道に変わる。辺りは真っ暗。こんなことになるなんて予想もしておらず、ヘッドライトも持ってない。

暗い山道をトボトボ歩き続ける。追い越していく車が怖い。逆にドライバーからしたらこんな暗い山道を人が歩いているのだからさぞかしビックリしたに違いない。

暗い山道256号線から右折して高賀神社へ向かう。ここからさらに寂しくなる。道路の街頭もまばら。遠くに見える小さな灯りを頼りに進んでいく。

そしてついに、やっと、ようやく、大きな鳥居に辿り着いた。

↑ ↑ ↑ 高賀山山頂から美濃和紙の里会館までの道のり

 

↑ ↑ ↑ バスに乗った道のり

 

↑ ↑ ↑ 最後の歩き

 

鳥居をくぐって二人でガッツポーズ。駐車場には当然1台のみ。さっさと車に乗り込み帰ります。苦労して歩いてきた道のりがあっという間に過ぎていきます。やっぱり車ってすごいなー。

遭難に至った原因

台風が直撃した後の山行で、ルート状況の情報収集が足りなかった。

通行禁止の際の迂回路やその他判断するためのツールがなかった。

登山やり始めと言っても必要最低限のアイテムは持っていかないと、不測の事態に遭遇した時の対処に差が出てきて命にかかわることにつながる。

その後

高賀山へ登頂後、合計28.3km(登り含まず)のロードを踏破した後遺症がないわけがない。太ももの裏と膝の痛みに加え、腰回りの筋肉痛が異様にひどい。3日は満足に歩けなかった。

あと、左足の親指の爪が2週間後にはがれた。遭難の爪痕はあまりにも痛すぎた。

『その1』と『その2』は何れも林道や一般道のため、最悪は何とかなったと思う。しかし次回の『その3』はいよいよ山の中での遭難となる。

ではまた。